鈍行列車 ヨーロッパ編

欧州2ヵ月一人旅

チェコ チェスキークルムロフ① 川に囲まれて

プラハの町に満足した私はさっそく次の目的地を探し始めた。

プラハから西へ行くと、カルロビ・バリという古い町並みと温泉が有名な場所があるらしい。

ただしドイツにかなり近づいてしまう。

ドイツに戻ることは考えていなかったので、ここは一路南へ進むことにした。

チェコの南側オーストリア国境にほど近い場所に、川沿いの城下町チェスキークルムロフがあるらしい。

私はこの旅初めてのバスに乗り、チェスキークルムロフへと向かった。

 

1,200円ほどでチケットを購入し、バスに揺られること数時間。

目的の町へと到着した。

降りてすぐに感じたのは草木の匂いである。

チェスキークルムロフは四方が山に囲まれている。

私はこれまである程度の都会ばかり訪れていたので、久しぶりの緑の香りに嬉しくなった。

今夜の宿は「Hostel99」

1泊4,000円と決して安くはない。

都会は人が多いが宿は安い。

地方は人は少ないが、宿は高い。

一長一短である。

ただし、ホステルの名誉のために言わせてもらうと、そこは確かに4,000円の価値はあった。

レトロでかわいらしいログハウス風の建物に、趣のあるベッドが整然と並べてある。

なにより驚いたのは、ドミトリーだと言うのに、2段ベッドではく、シングルベッドなのである。

私は2段ベッドが嫌いというわけではないが、上段ベッドをあてがわれてしまうと、移動やちょっとしたものを取るのに苦労してしまうのだ。

もちろんシングルベッドにはカーテンなどはなかったが、それでも久しぶりの普通のベッドに興奮してしまった。

 

チェスキークルムロフは、川に囲まれた静かでこじんまりした町だった。

私はこれまでの旅の疲れを癒すかのように、のんびりと散策することが出来た。

町の中心の広場へ行くと、どうやらステージの設営をしている。

近くに貼ってあったポスターを見ると、どうやら明後日からお祭りが始まるらしい。

お祭りは2日間あるのだが、なんとその期間はお祭りの入場券がないと町に入れないのだそうだ。

私はもともとは明日までの滞在予定だったので問題はなかったのだが、たまたま寄ることにした町でたまたまお祭りが開催されることに運命的なものを感じた。

私は滞在を延長し、明後日から始まる「5弁のバラ祭り」に参加することにした。

 

川にぐるっと囲まれている