ワルシャワの旧市街はわりと小じんまりとしていた。
私たちは彼の友人と合流し、みんなでタイ料理を食べてシーシャを吸った。
ポーランドは自国の通貨ズルチを使用しており、物価は日本と同じか日本よりやや高めである。
例えば、タイラーメンは25ズルチで日本円で約900円。
観光地価格を考慮しても決して安いとは言えない金額である。
シーシャバーを出て空を見上げると見事な青色の夜空であった。
青というよりは群青色に近いかもしれない。
それは私に香川県の直島にある、ジェームズ・タレルがつくった芸術空間を思い出させた。
建物がまるで額縁のように空を縁取っている。
芸術的と言っていいほど洗練された群青色の夜空であった。
翌日はショパンの銅像で有名な公園を散歩したり、公園のなかのリスを探したり、電動キックボードに乗ってみたり、まるで地元民のように町を2人でぶらついた。
電動キックボードは今は日本でも走れるようになったが、当時のヨーロッパすでに町の至るところでその姿を見ることが出来た。
予めアプリで登録しておくと、キックボードについたQRコードを読み取るだけで決済可能。しかも町中にあるどのスポットにも乗り捨て出来るとあって利用者はかなりの数がいた。
本来2人乗りは禁止であるが、周りを見渡してもそんなことを気にしている人は誰1人いない。
私は彼の後ろに乗って、ワルシャワの川沿いのドライブを楽しんだ。
さてワルシャワの川というのは、地元民から見れば単なる川ではない。
それは夏になると海の代わりになり、川沿いはまるでビーチのようにたくさんの仮設バーや船上バーが立ち並ぶ。
ポーランド人のお酒好きー特にウォッカ好きーは有名であるが、川で飲んだくれる光景にはさすがに驚いてしまった。
ポーランドはその国土の三方をが他国と接しており、海に面しているのは北部のみである。
ワルシャワは内陸なので、いわゆる海なし県だ。
そういうわけで私のポーランド人の印象は酒飲みの海好きである。
そしてその印象は後に訪れるギリシャでさらに確信に変わっていくのであった。