鈍行列車 ヨーロッパ編

欧州2ヵ月一人旅

ポーランド クラクフ③ アウシュビッツ

今日は前日にネットから予約したアウシュビッツ強制収容所へのツアーを予約した。

ツアーと言っても最安値のものでクラクフからの往復のバスと解説パンフレットを渡されるだけである。

自力で行くことも出来るが、当日券が現地で買えるかどうか分からないのと、アウシュビッツだけでなく、ビルケナウという別の強制収容所へも連れて行ってくれるのが魅力的だったので、ツアーへ申し込んだ。

119ゾルチ。日本円で3,500円前後なのでかなり痛い出費である。

思うに、旅にはさほどお金がかからない。観光にお金がかかるのである。

ホステルでは四六時中ベッドでゴロゴロしているバックパッカーがいる。

彼らはお金がかかる観光を諦め、一日でも長く旅を続けるためにどこにも出かけず節約しているのだろう。

一見矛盾しているようだが、彼らの気持ちも分かるような気がした。

 

ビルケナウ収容所は、あの「ARBEIT MACHT FREI」「働けば自由になる」の看板で有名である。

看板のある門をくぐってみると、レンガ造りの建物が広がっていた。

建物のあいだにはかつて処刑場があったモニュメントがあり、たくさんの花が供えられた。

展示品と一緒に当時の写真や説明文が添えられていた。

あまりのショックに圧倒され、写真を取ることは憚られた。

 

バスは次の目的地のアウシュビッツへと到着した。

ここはクラクフから続く強制収容所行の列車の終着駅である。

線路は最終的にガス室のとなりまで沿線され、選別されたユダヤ人たちが、"効率的に"処分されていったのだ。

そこには教科書では分からない、陰鬱とした雰囲気を今でもなお肌で感じることが出来た。

アウシュビッツ 終着駅